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特集C「戦争」こう教える?/現役教員が模擬授業


扶桑社版中学歴史教科書
 来春開校する県立中高一貫校で使用が決まった扶桑社版の中学歴史教科書を使った模擬授業が2、3日の両日、松山市内で相次いで開かれた。どちらも扶桑社の「指導書」に沿って「大東亜戦争(太平洋戦争)」の項目を取り上げた。現役学校教員が教師役を務めた。愛媛大学祭で開かれた県教組の新川雄也委員長の授業を再現する。

冒頭軍艦マーチ流れる
 「臨時ニュースを申し上げます。大本営陸海軍部午前6時発表。帝国陸海軍は本8日未明、西太平洋において米英軍と戦闘状態に入れり」(軍艦マーチが流れる)…。授業の冒頭、当時のラジオニュースを流した。

 「戦争が始まって、当時の国民はどんな気持ちだったと思いますか」と問いかけ、資料などを用いて、「国民は気分が高ぶった。感激した」と導いた。

日本の進撃白地図に
 続いて太平洋の白地図を配り、ハワイ、シンガポール、フィリピン、ジャワ、ビルマに丸をつけさせ、日本の進撃が続いたことを確認。

 「自転車に乗った銀輪部隊を先頭に、ジャングルとゴム林の間を縫って英軍を撃退しながらシンガポールを目指し快進撃を行った」と教師が教科書を朗読し、日本軍の緒戦の勝利が「東南アジアやインドの多くの人々に独立への夢と勇気をはぐくんだ」と説明した。

目的はアジアの解放
 大東亜戦争の目的について▼自存自衛▼アジアを欧米の支配から解放する▼大東亜共栄圏の建設…の3つを挙げた。

 「日本ははっきりした見通しを持っていなかったため、戦局は暗転していく」と前置きした上で、各地の戦闘を紹介していった。

 日本が4隻の空母を失った「ミッドウェー海戦」。米軍が上陸して死闘が繰り広げられた「ガダルカナル島」。わずか2,000人の日本軍守備隊が20,000人の米軍相手に弾丸や米の補給が途絶えて玉砕した「アッツ島」。降伏することなく玉砕した「ニューギニア島、マリアナ諸島」。1944年に米軍が進攻した「フィリピン」。日本本土への空襲を始めた爆撃機B29が飛び立った「サイパン島」。神風特別攻撃隊が出撃し、米艦隊に体当たりした「レイテ沖海戦」。鉄血謹皇隊の少年やひめゆり部隊の少女たちまでもが勇敢に戦った「沖縄島」。

 これらすべてを確認し、地図に丸を付けた。

 教科書にある特攻隊員の遺書を読み、「特攻隊員はどんな気持ちだったのか」と問いかけ、意見を書かせた。

 新川委員長は「指導書に沿って、感情移入せずに授業を行った」と説明。授業後の意見交換では、扶桑社版教科書に対する賛成、反対の意見が出た。

 模擬授業を主催した大学生のグループ「DEW」の中川博貴代表(22)は「みなさんの周りで教科書問題を議論するきっかけにしてほしい」と締めくくった。

(2002/11/13 『愛媛新聞』)