愛媛の教科書問題 > 愛媛の教科書問題「特集・オピニオン」

自国の過ち学ぶことも必要(2002/09/28 『愛媛新聞・門』より)
<松山市/小倉 くめ(56)/無職>

◆19日付本欄「扶桑社版歴史認識批判に疑問」に対して私の考えを述べたい。教科書の内容について「当時そうだったと説明してあるだけで、今日、そうしなさいと教えているのではない」と、はっきり否定している点は分かるが、私はそうは思わない。「教科書に何が書いていようが、問題にすべきは、それが正しいかそうでないかである」はそのとおりであり、教科書には「正しいこと」を書かねばならないと私も思う。

◆しかし「正しいこと」として、自国に都合の良いことだけや、事実を曲解したような記述があっては、国際社会で通用する歴史認識は育ちにくい。国際社会に生きる子供たちにとって何より不幸だ。北朝鮮による日本人拉致事件が、当の北朝鮮国民に知らされていないという同国の在り方が、国際社会の中で何を引き起こしているのかを見ても、私がいいたいことは分かってもらえるのではないか。

◆扶桑社の教科書を、好戦的で戦争に導くと言い募っているつもりはない。「命」「人権」「平和」などに照らして、子供たちに正しい歴史認識が持てるような教科書を用意し、自国の過ちにも功績も冷静に判断できる地球市民に育てることが、大人たちの使命と思っている。そうした人間性こそが、国際社会で通用すると思う。