

愛媛の教科書問題 > 愛媛の教科書問題「特集・オピニオン」
扶桑社版歴史認識おかしい(2002/09/03 『愛媛新聞・門』より)
<松山市/小倉 くめ(56)/無職>
◆「新しい歴史教科書をつくる会」主導の扶桑社版歴史教科書。教師用指導書には、「大東亜戦争の目的は何ですか」との質問があり、回答例は「自存自衛とアジアを欧米の支配から解放し、大東亜共栄圏を建設すること」、また「アジア解放に対する日本の功績を2つ書きなさい」の答えに、「有色人種が白色人種に勝てることを示したことと、日本人が東南アジアの人に戦争の仕方を教えたこと」があるという。
◆「つくる会」は、「日本人が自虐的にならず、誇りを持てるものにする」つもりらしい。が、地球規模で反戦や平和を考えようという時代に、国是である憲法で戦争放棄をうたいながら、「戦争の仕方を教えた」ことを誇りにせよと教える矛盾に首をかしげる。それはまるで、強盗殺人罪に問われた犯人が「殺人の仕方を教えた」と居直るに等しい理屈に思われる。
◆これが世界の常識になったとき、日本人は「戦争の仕方を教えた民族」として尊敬され、そのことを学校の教科書で教わり、誇りに思っている民族なのだと一目置かれるのだろうか。本来値打ちのないものに無理に値打ちを持たせようとするようなこそくさは、必ずどこかで矛盾を生む。そんな歴史認識こそが、日本人を名乗れぬほどに恥ずかしい。