愛媛の教科書問題 > 愛媛の教科書問題(4) 2005/03/31〜

◆歴史・公民教科書/東温・上浮穴、西条の2地区/扶桑社版採択せず◆


 西条市、東温・上浮穴地区の教育委員会は29日、2006年度から公立中学校で使用する教科書を採択。歴史と公民はいずれも東京書籍と大阪書籍に決まり、扶桑社版は採択しなかった。同一地区の東温市と久万高原町の教委は、事前の地区採択協議会の選定結果通りに決定した。審議はすべて非公開だった。

 西条市教委は歴史と公民教科書を全会一致で採択。両教科とも採択委員会からの答申段階で各三社に絞られており、教育委員から候補に入っていない扶桑社版を推す意見は出なかったという。

 4人が傍聴に訪れたが教科書審議は非公開。扶桑社反対派の「教科書問題を考える西条市民の会」の越智邦明代表(74)は「オープンな場で堂々と審議してもらいたかった」と述べた。

 東温市教委では歴史が東京書籍3、扶桑社2、公民は大阪書籍4、扶桑社1に意見が分かれた。委員からは採択教科書を「教えやすい」「性との興味や関心をはぐくめる」と評価する一方、「中学生に戦争中の残虐行為を教えるのは同化。高校からでいいのでは」として扶桑社版を推す意見もあったという。

 岡省吾教育長は国内外からの扶桑社版推進、反対双方のメールやファックスの束(厚さ約15p)を見せ「(採択環境は)異常だった」と述べた。

 久万高原町教委は全会一致で採択。西田友三教育長は「調査委員会の報告など、現場の意見を尊重して決めた」と説明。扶桑社版歴史教科書について委員から「中学生には良が多すぎる」との意見が出たという。

 今回採択した教科書は4年間、西条市10校、東温市2校、久万高原町4校で使用する。

 このほか、新田青雲中等教育学校(松山市)が29日までに、松山市教委と同じく歴史教科書に東京書籍版、公民で大阪書籍版の採択を決定。これで県内の市立中は6校すべてが扶桑社版以外の教科書を選んだことになる。国立の愛媛大付属中(同市)も松山市教委と同じ教科書を採択する方針。

(2005/08/30 『愛媛新聞』より)