

愛媛の教科書問題 > 愛媛の教科書問題(4) 2005/03/31〜
◆県教委扶桑社版採択/抗議・歓迎三たび交錯◆
国内外から注目を集める中学校の歴史教科書採択。県教育委員会は26日、歴史認識をめぐり論議のある「新しい歴史教科書をつくる会」主導の扶桑社版教科書を2001年、2002年に続き三たび選んだ。反対派から「歴史をわい曲した教科書をなぜ使うのか」と怒りの声が上がる一方、賛成派は「日本人としての自覚を養うのに最適の教科書」と歓迎した。
▼誤った歴史教えるな(反対派)
反対派は「えひめ教科書裁判を支える会」メンバーらが午前8時すぎ、県庁前でビラ配りを開始。松山市の無職佐々木美恵子さん(81)は「子どものときの記憶はいつまでも残る。だからあの教科書は中学生に渡したくない」と体験を交え話した。その後も25人ほどが県庁前に座り込んだ。
午後3時半頃結果がもたらされると、全員が声を合わせて抗議声明を朗読。松山市の友好都市、韓国・平澤市の市民団体の抗議文も紹介した。松山市の無職西岡周一さん(91)は「子どもたちに誤った歴史を教え、戦争へとし向ける教科書には反対だ」と力を込めた。
新居浜市の牧師坂田進さん(49)は「県教委は教育現場の意見を反映させず、自分たちの思惑で決めている」。川岡勉愛媛大教授は「歴史学の成果を踏まえていない教科書の採択は県教委の見識を疑う」と批判した。
▼日本人の自覚を養う(賛成派)
賛成派は「新しい歴史教科書をつくる会」の会員らをはじめ約40人が傍聴を希望し、午後1じすぎごろから県庁第1別館11階の抽選会場に。中には現役高校生の姿もあり「扶桑社版は一方的に戦争賛美のイメージを押しつけられている」と同社版の採択を期待した。
採択後、「つくる会」評議員で東温市重信中の大津寄章三教諭は「全会一致の採択で扶桑社版への支持が決して特殊なものではないことが明らかになった。県教委は勇気ある決断をした」と評価。「教科書を改める愛媛1000人委員会」の宮川康会長は「どのような日本人を育てたいかという視点に立ち、教科書の改善を求めていく」とコメントした。
(2005/08/27 『愛媛新聞』より)