

愛媛の教科書問題 > 愛媛の教科書問題(4) 2005/03/31〜
◆県教委は扶桑社版/全会一致で採択/審議非公開/「公民」大阪書籍◆
県教育委員会(井関和彦委員長、6人)は26日、8月定例会を開き、来年度から県立学校で使用する中学・高校教科書を決めた。県立中3校、養護学校、ろう学校では前回採択同様、歴史認識や戦争のとらえ方などで賛否のある「新しい歴史教科書をつくる会」主導の扶桑社版歴史教科書を採択することを全会一致で決定した。公民は大阪書籍版を採択した。審議は非公開で、終了後に委員が会見した。
教科書採択の会議は、12日の臨時会に続き2回目。教科書を評価する教科用図書選定審議会作成の選定資料を基に委員が議論。事務局安堵おりに決まった。公民教科書は4対2の採決で決定、2票は扶桑社版で、井関委員長と野本俊二教育長が推した。松山、今治両市教委が実施した教員アンケートは行わなかった。
扶桑社版歴史教科書の「高校版」との指摘もある「最新日本史」(明成社)は、第1希望の学校がなく採択しなかった。
扶桑社版選定理由を井関委員長は「学習指導要領に照らし一番いい」と説明。他の委員も「自国に誇りが持てる」「人物紹介が多い」などと述べた。「自国中心的で、過剰なナショナリズムを高める」との批判には、「国を愛するのは当然。それは変な意味の愛国主義ではない。そんな懸念は感じられない」(井関委員長)と反論した。
定例会には6席の傍聴を求め賛成、反対の立場の約50人が並んだ。会議は冒頭公開後、「採択期限の31日まで非公開の選定資料に基づき議論する」「清ひつな環境で率直な意見交換をする」との理由で審議が非公開とされた。
県教委は2001年から2002年にかけ、養護学校、ろう学校、県立中3校で扶桑社版歴史教科書を採択。中国や韓国なら批判を受けるなど国内外で波紋を呼び、今年の採択が注目されていた。
今回採択された扶桑社版教科書は4月以降、性と約970人が4年間使用する。同社版は今年、栃木県大田原市教委、東京都教委、東京都杉並区教委などが採択している。
(2005/08/27 『愛媛新聞』より)