愛媛の教科書問題 > 愛媛の教科書問題(4) 2005/03/31〜

◆現場の声反映と強調/教育長・審議内容は語らず◆


 「採択する側として苦しい思いをした」−。18日の今治市教委で、国内外から注視された中学歴史教科書などの採択を終えた倉永忠教育長は、慎重に言葉を選びながら採択理由を説明した。

 歴史や戦争のとらえ方などをめぐり論争を呼んでいる扶桑社版。同委は同社版以外を選んだ。「教科書を使って指導するのは現場の教員。彼らの意見が一番大切だった」。同教育長は現場の声を反映させた結果と強調した。市教委には、扶桑社版の採択を求めるはがきが100通、同社に反対するファックス、メールが約70通とどいていた。

 会合は約40分で終了。9教科のうち扶桑社版が教科書を発行する歴史と公民で委員の意見が分かれ、両分野の審議に約15分費やしたという。審議内容を問われた同教育長は「正確に表現できないし、誤解を招くおそれがあるので(9月以降に開示される)議事録を見てほしい」と繰り返すだけだった。

 臨時会の会場には、傍聴希望者5人が訪れたが、非公開と告げられ、職印に詰め寄る場面も。

 県内で最初の採択となり、会見には報道陣が詰めかけた。倉永教育長は「上島町と教科書を一致させなければならないため、(採択期限の31日まで)余裕を持って18日に設定した」と話し、責任を果たしたことに安堵の表情を浮かべた。

(2005/08/19 『愛媛新聞』より)