

愛媛の教科書問題 > 愛媛の教科書問題(4) 2005/03/31〜
◆今治地区は東京書籍/意見割れ多数決/扶桑社版不採択◆
今治市教育委員会(小田道人司委員長、5人)は18日、同市役所で臨時会を開き、2006年度から同市立中学校で使用する教科書を決めた。歴史認識などで賛否のある扶桑社版教科書が中国や韓国との外交問題にもなる中、注目された歴史教科書は前回と同じ東京書籍を、公民教科書は大阪書籍を採択。17日に開かれた越智郡上島町教委(冨田興一委員長、5人)の結論と一致したため今治地区(今治市、上島町)の教科書に決めた。県内に11ある教科書採択地区で今回、教科書を決定したのは初めて。
今治市教育委員会によると、歴史、公民とも委員5人中3人が、採択された教科書を、1人が扶桑社を推し、多数決で決定した。
倉永忠同市教育長は採択理由を「現場の教師や保護者の意見などを聞いたアンケートや、教員などで構成する採択協議会が一番評価した教科書を選んだ」と説明した。
アンケートは6月中旬〜7月上旬の教科書展示期間中、教員や保護者ら約80人に実施。歴史教科書ではほとんどが東京書籍を推したという。
今治地区の採択教科書は全教科、採択協議会と一致。来年度から同市町立中23校の約4700人が使用する。
18日の臨時会は、「委員が事由に意見を述べられる環境をつくりたい」として非公開で実施。市教委の規定で当初「原則公開、5人まで傍聴できる」としていたが、当日の委員の反対で非公開となった。愛媛では、県教委が2001年から2002年にかけ養護学校、ろう学校と県立中で扶桑社版歴史教科書を採択しており、県内の市町立中の採択動向が国内外の関心を集めている。23日には新居浜市教委などが採択教科書を決める予定で、残る地区も期限の月末までに採択作業を終える。
▼扶桑社版支持少ない/「えひめ教科書裁判を支える会」の高井弘之さん(今治市)の話
学校現場の声を尊重したことを評価したい。扶桑社版を支持する教員は少なく、普通なら絶対に採択されない教科書だ。逆に政治圧力がないと採択されない教科書であることが証明された。県内の各教委は現場の声を反映させた採択をしてほしい。
▼事なかれ主義だ/「教科書を改める愛媛1000人委員会」の宮川康会長(松山市)の話
教員は事なかれ主義で教科書を変えたがらない。アンケートは教育委員が教科書を判断する責任を果たしていないことになる。扶桑社版が不採択だが「我が国の歴史に対する愛情を深める」という学習指導要領に沿った判断なのか疑問だ。
(2005/08/19 『愛媛新聞』より)