愛媛の教科書問題 > 愛媛の教科書問題(4) 2005/03/31〜

◆歴史教科書採択/松山市教委日程公開せず/委員への圧力回避◆


 8月中に行われる教科書採択に絡み、松山市教育委員会の土居貴美教育長は4日、中学校の歴史教科書採択を行うとみられる臨時会の日程を非公開とする考えを示した。極めて異例な方針で、情報公開の流れに逆行する市教委の姿勢に関係者からは疑問の声が上がっており、波紋を呼びそうだ。

 地方教育行政法や松山市教育委員会会議規則では、会議を原則公開とする旨を定めている。全国的に教委会を公開し採択を決める自治体が多く、文部科学省は「説明責任の観点から日程を公開することが望ましい」(初等中等教育企画課)としている。

 今月の定例会は9日に行われるが、採択が議題に上がらない可能性が高いため、同日以降に臨時会を開くと見られる。土居教育長は「委員か以内で相談し、日程は非公開で意思統一した」と話している。市教委の石丸修事務局長は、非公開方針の理由について「採択日は通常とは重みが違う。日程を公表するといろんな人が教育委員に圧力をかけるおそれがあるため」と説明している。

 同法第13条や同規則第3条は、人事案件などについて出席委員の3分の2以上の多数で議決した場合を除き、「会議は公開する」と明記。しかし土居教育長は「法的根拠については事務局に任せており、問題ない」との認識。石丸事務局長は「会議を適正に進める上で認められるだろう」との見解を示した。

 愛媛大法文学部の横山信二教授(行政法)は「人事などプライバシーにかかわる案件以外、市教委の最良に任せて会議を非公開にすると、原則公開の意味がなくなる。教科書採択は住民の関心事で、憲法の人権保障の観点からも(日程の非公開という)市教委の対応には問題がある」と指摘している。

(2005/08/05 『愛媛新聞』より)