

愛媛の教科書問題 > 愛媛の教科書問題(3) 2002/08/16〜
◆扶桑社版で模擬授業/愛媛大生ら企画/問題点考える◆
愛媛大学生ら有志が企画したイベント「僕らが歴史を学ぶ理由」が3日、松山市文京町の同大であり、来春開校する県立中高一貫校で採用された扶桑社版の中学歴史教科書を使った模擬授業と講演会があった。
企画したのは、同大工学部3年の中山博貴さん(22)大学生6人。中山さんは今夏から教科書問題に興味を持ち、周りの友人に呼びかけて「教科書問題を考える学生の会」(DEW)を結成、勉強を重ねてきた。同日は約40名の市民や学生が参加した。県教職員組合の新川雄也委員長が扶桑社版歴史教科書を使い、同社の指導書に沿って「大東亜戦争」の項目で約50分授業をした。
日本の緒戦の勝利についての東南アジアやインドの人々の気持ちを、黒板に「独立への夢と希望」と記述。太平洋の白地図を用意し、ハワイ、シンガポール、フィリピンに印を付けて日本軍の進撃を確認した。模擬授業の後、新川さんは「感情移入せずに授業をした。この教科書の『快進撃』『勇敢に』『一歩も引かずに玉砕』などの表現は、戦争で失われた何万人もの命や哀しみを伝えていない」と訴えた。
後援では元松山東雲中高校教諭の古谷直康さんが「扶桑社版教科書の問題点」と題して話した。質疑応答で賛否両論が飛び交い、紛糾する場面もあった。
中山さんは「この教科書には日本の悪いところはあまり書かれておらず、違和感を感じて企画した。教科書問題を論議するきっかけにしてもらいたい」と話していた。
(2002/11/04 『愛媛新聞』より)