愛媛の教科書問題 > 愛媛の教科書問題(1) 2001/08/08〜2002/08/14

◆市民団体と話し合い平行線/県教委、採択結果、国に報告◆


 県教委が「新しい歴史教科書をつくる会」主導の中学歴史教科書(扶桑社刊)を採択したことに反対する市民団体のメンバー約150人は採択期限の15日、県教育委員会の土居俊夫委員長(南海放送社長)らと県庁内で会い、採択撤回をあらためて申し入れた。話し合いは平行線をたどり、県教委は決定通り、同日夕、採択結果を文部科学省に報告した。同教科書は2002年度から養護学校の一部で使用される。

 話し合いには教育委員6人のうち5人が出席。各委員が採択理由を述べる中で、土居委員長は「日本が国際社会の中でどうであったかを反省を込めて書かれている」とし、「よりベターな選択である」と説明。川本俊明委員は「戦争までの日米関係が述べられており、扶桑社がよい。太平洋戦争は(同教科書に記述されているように)大東亜戦争と言うのが正しいと信じている」と述べた。

 団体は「ほかの教科書と比べてどこがよいのか説明がない」「障害者の権利を尊重しない教科書をどうして採択するのか」などと抗議、再審議を求めた。

 話し合いは、事前に双方が申し合わせしていた約1時間半が経過した時点で、教育委員側が話し合いを打ち切って退出。団体からは「質問に答えていない」と不満が噴出した。報道陣が教育委員にコメントを求めるために退出しようとした際、職員が扉を閉め切って報道陣と団体メンバーを室内に閉じこめる場面もあり、騒然となった。

 結局、再審議のための教育委員会は開かれず、約50分後に県教委は文科省に採択結果をファックスで報告した。

(2001/08/16 『愛媛新聞』より)