

愛媛の教科書問題 > 愛媛の教科書問題(1) 2001/08/08〜2002/08/14
◆論争あれば併記を/検定審改善策/「自虐的」批判に配慮◆
文部科学相の諮問機関、教科用図書検定審議会は24日、従来以上に「バランスのとれた記述」を要求し、見解が分かれる事象には検定で両論併記を求めることを可能にするべきだとする「教科書制度の改善策」をまとめた。
教科書の歴史記述に対し一部から「自虐的」との批判があることなどに配慮したとみられる。31日に文部科学省に提出する。
昨年、各地で問題化した教科書採択についても、教育委員会などが明確なルールづくりをすることで「静かな環境の確保」を要請、市民運動など外部の影響を受けないよう求めており、論議を呼びそうだ。
学習指導要領の範囲を超えた「発展的内容の記述」を認めることも盛り込んでいる。
改善策は、教科書全体について「調和の観点から」修正を求めることを可能にするよう提言。
戦前戦中の日本の侵略行為の記述などが「偏向している」「自虐的だ」と批判されていることなどから、見解が分かれる事象には「公正でバランスのとれた記述」にするため、「ほかの見解もあることが理解できるような記述を求める」とするような改善を求めた。
現行制度では、誤った記述の修訂正を求めることはできるが、学習指導要領に明記されていない事項の記述を要求する「書かせる検定」はできないとされていた。
教科書採択では昨年、中学歴史教科書をめぐり、栃木県下都賀地区で採択地区協議会の決定が覆るなど迷走したことから、手続きを明確化し「静謐(せいひつ)な環境」を確保するべきだとした。
これを受けて文科省は検定基準を改定し、来年度の検定作業から適用する方針。新検定基準による教科書は小学校と高校では2005年度、中学校は2006年度から使われることになる。
文科省が今年2月、昨年の教科書をめぐる混乱や学力低下不安を受けて、検定審に改善を諮問していた。
(2002/07/25 『愛媛新聞』より)