愛媛の教科書問題 > 愛媛の教科書問題(1) 2001/08/08〜2002/08/14

◆教科書採択で知事に質問状/教育、宗教関係者ら◆


昨年8月、県教委が「新しい歴史教科書をつくる会」の中学校歴史教科書(扶桑社版)を採択した問題で、教育、宗教関係者らでつくる「教科書採択問題愛媛連絡会」(代表委員・作田和夫牧師ら9人)は3日、同問題についての加戸守行知事の言動をただす公開質問状を提出した。

 質問状は、加戸知事の「教科書採択が県政最大の課題」などの発言に大きな疑念と憤りを持っているとし、▽なぜ教科書採択が「県政最大の課題」なのか▽知事は戦争のできる国家と子供づくりを目指しているのではないか−など5項目について、10日までの回答を知事に求めている。

(2002/06/04/愛媛新聞)


2002年6月3日
愛媛県知事 加戸守行殿
教科書採択問題愛媛連絡会
代表委員:安西賢誠、加藤啓一、小林漢二、作田和夫、新川雄也、東俊一、真鍋知己、山本翠、和田宰


教科書問題での知事発言についての公開質問状

 知事は、昨年8月8日の扶桑社発行−「新しい歴史教科書」の採択問題に関し、同月16日の記者会見において、採択以前に教育長に対して、「この教科書がベスト」とする感想を述べ、採択への影響がゼロではないと想像する」と自ら語っています。その上で、教育基本法10条を引いて「不当な支配とは、思わない」と発言。同8月29日には県政モニター委嘱式での質問に「先祖は悪いことばかりをやってきたという教科書を読んでどんな育ち方をするのかと思った」などと語っています。県民の批判が広がる中、同年9月県議会では、「こういった議会の答弁以外では発言することは差し控えたい」との答弁が行われています。
 ところが、今年5月11日の西条市内の講演では「今後も教科書採択が県政最大の課題」との認識を示し、「扶桑社以外の教科書を批判。県教委の採択が正しかったとの認識を改めて強調した」と報道されています。5月23日の定例記者会見では、「報道されるとは思わなかった。報道の結果教育委員にプレッシャーをかけたのであれば大変残念」今後は「影響が無いようになるべく控えめにしたい」と語っています。
 私たちは、このような一連の知事の言動について、大きな疑念と憤りを持っています。以下の諸点について文書による回答を求めます。
 なお、6月10日までにご返答いただけるようお願いします。

                                     記

(1)教育基本法第10条は「教育は、不当な支配に服」してはならないことを規定し、さらに、「教育の目的を遂行するに必要な諸条件の整備確立」の範囲に行政の役割を限定しています。知事が教科書採択に干渉する言動を繰り返すことは、幾重にも教育基本法に反すると思われますが、知事はどのような認識を持っておられるのですか。

(2)知事は、「今後も教科書採択が『県政最大の課題』との認識」だと言われますが、どうして教科書採択が「県政最大の課題」なのですか。

(3)発言を「差し控えたい」と県民に約束しながら再び発言し、「今後は影響がないように控えめに」などという態度は、県民をあまりにも馬鹿にした態度ではないのですか。「報道されるとは思わなかった」と言われますが、報道されなければ何を言っても好いと思われているのですか。

(4)知事は、「祖先は悪いことばかりやってきたという教科書を読んでどんな育ち方をするのか」と言われましたが、日本の植民地支配の事実に目をふさぎ、反省もない教科書で、世界やとりわけアジアの人々に通用し「真理と平和を希求する」人間が育つと考えておられるのですか。

(5)「つくる会」の教科書が戦争賛美の内容であることと友に、知事が有事立法についても賛意を示していることを重ね合わせると、知事は戦争のできる国家と子ども作りを目指しているのではないのですか。


返答の宛先 教科書採択問題愛媛連絡会事務局
〒791−0243 松山市平井町2169−59
和田 宰 方