中天に届こうとする陽がどこまでも俺たちを置き去りにしたまま、石畳の中央で対峙する二人を照らし出す。
 人波もまた、浅い川の真ん中に岩でも投げ込んだように二人を避けて流れ、まるで両者を中心として見えない力場が働いているかのように円状の空間が出来上がっていた。道の真ん中でカレーを持ったまま見つめあう二人組みと関わり合いたいなんて思う奇特な人物はいやしないだろうから、当然と言えば当然である。
「ねえキョン。有希ったらどうしちゃったのよ一体。何でいきなり、えーっと…………ほら、あの人、名前何ていったっけ」
「……喜緑さんの事か?」
「そうそう。喜緑さんだったわね。生徒会書記の。で、その喜緑さんと有希、いきなり睨めっこはじめちゃってるじゃない。どうしてよ?」
 どうしてって言われてもな。んなもんこっちが聞きたいっての。
「我々が目を離している間に、あちらのカレーの数量も残り一つという所まで来たのではないでしょうか」
 僅かに困惑の色が残っているものの既に気を持ち直したらしき古泉が、俺の代わりにハルヒの疑問に答えようとする。
「つまり、長門さんと喜緑さん、今お二人が手にしていらっしゃるカレーこそが、我々と生徒会の雌雄を決する最後の一片である、という事です」
「まさか、もう連中に追いつかれてたっての? じゃあ、あの二人が睨みあっているのは」
「ええ」
 古泉は学生劇団でも旗揚げできそうなほど芝居がかったシリアス顔を作り、瞑目すると、
「決着をつけるつもりなのかもしれません。今回の発起人である長門さん自らが、一対一という形でもって」
 仕草のせいで必要以上に胡散臭く聞こえるものの、古泉の言は的を射ているような気がする。依然として相対したままの二人の間に漂う雰囲気は、腰に巻いたガンベルトに手を添えようとする西部の荒くれ共と通ずるものがあった。さながら俺たちはサボテンの役回りってとこか。
「そんな……有希! ここまで来て美味しい所を独り占めだなんて!!」
 ゴルフで言う所のOBにあたりそうなほど見当違いな悲鳴をあげるハルヒはさておき、問題は二人がどのような方法を以ってして決着をつけるのかという点だな。
「まずいですよね。お二人とも、TFEIですし。どうにかして止めないと大変なことになるんじゃぁ……」
 朝比奈さんが不安気な声で囁きかけてきたとおり、朝倉の時みたいな大立ち回りをこんな人ごみの中で再演されたんじゃ堪ったものではない。銃を乱射されてはサボテンまで穴だらけにされかねないのだ。自然は大切に。
 一般人と、何よりハルヒがこの場にいるんだし、思い切った行動には及ばないと思うんだが、しかし心配なもんは心配だよな。二人してカレー持ったまま何をしようってのか、まるで想像がつかん。余計におっかないんだよ、そういうの。
「ずるい、タイマンならあたしが張るわ! こら、出て来なさい生徒会長! 臆するあまり自分の部下である喜緑さんに代理戦争をけしかけるなんて、男のやる事じゃないわよ! あたしと直々に拳を交わす度胸があんたには無いの!?」
「落ち着いてください涼宮さん。ここはひとまず、お二人の成り行きを見守ってから……」
 テンションゲージがあがってきたハルヒをこのまま放っとくわけにもいかないし、しゃあない。二人の対決の仔細を知っているのが俺しかいないってのもあるからな。止めるに入るだけ入ってみるか。
 そうやって、十メートルの飛び込み台に昇るような覚悟を、俺が決めた矢先。
「あ、長門さんが……」
 朝比奈さんの声を皮切りに、それまでポーズ状態だった二人が動きを見せはじめていた。


  


 強い風が一度吹きつけ、そのあとすぐに均衡を破ったのは長門だ。
 長門は右手に持ったスプーンで、左手に持ったカレーを掬おうとしていた。その動きは滑らかで一切の無駄が無く、かつ獲物を前にしたインパラのように俊敏だ。
 しかし、白いプラスチック製のスプーンは、カレーに接触しようとした刹那、喜緑さんが伸ばしたスプーンの先端によって弾かれる。カチッという軽い音。長門のスプーンは狙いをそらされ、何も無い宙を虚しく掻いた。喜緑さんは伸ばしたスプーンを途中で止めることなく、円を描くような動きで自分のカレーを掬いにかかる。左手にはカレーを持ち、右の手先を揺さぶられたばかりの長門では、遠雷のような喜緑さんの動きに追いつく事はできない。
 ない、ように、思われたのだが。
 長門はスプーンを弾かれた瞬間、既に動いていた。一糸の迷いも無く左足で踏み込み、カレーを持ったままの腕を折りたたむと、上半身だけを凄まじいスピードでぐるんと捻る。鋭利に尖った左肘が加速して、喜緑さんの右手首を肩ごと弾き飛ばす。さらに長門は捻れた姿勢のまま、今度こそカレーを掬おうとスプーンを降下させる。踏み込みによって互いに触れ合うほど密着しているため、長門の背中と左半身が喜緑さんの眼前を覆い込んで、直線的な攻撃を封じる形となっていた。この体勢から、喜緑さんが長門のスプーン捌きについていけるとはとても思えない。
 しかしそれも、俺の思い込みにすぎなかった。
 喜緑さんは両腕が思うように振るえないと悟るやいなや、スカートが翻るのも構わずに左膝を直上目掛けて突き上げ。下からの衝撃を受けた長門のカレーは一瞬浮き上がり、すれ違ったスプーンは容器の端を削り取るに止まる。次いで右手のスプーンをも狙って跳ね上がってくるつま先から逃れるため、長門はその場から飛び退いた。バックステップ。両者の位置は振り出しに戻る。
 長門の無表情も、喜緑さんが湛えた微笑みも、先刻から幾許の変化もない。勝負の行く先を読む事など、まだ誰にもできはしないだろう。
 …………ここまで冷静に解説しつつ時間稼ぎしてはみたものの、突っ込みたい部分が多すぎて未だにどこから突っ込めばいいのか判断しかねるってのはどうなんだこれ。
「つうか、何やってんだよ、あの二人は……」
 それ以上考えるのが面倒になった末の凡コメントに、さすがに面食らっていた様子の古泉は耳ざとく反応し、
「見ている限りでは、早食い、なのでしょうかね」
 あんなアグレッシブな早食い見たことねえよ。
「例えるならバーリ・トゥードですか。ただ食べるだけでなく、相手を妨害する手段として打ち突き蹴り何でもあり。両手が塞がっているので流石に寝技や締め技はないでしょうが」
 頭が痛くなってきた。
 二人の争いは今なお続いており、スプーンが打ち合う音や、ぶおん、と腕やら足やらで風を切る音が時たま耳に入ってくる。流れていたはずの人波は堰きとめられたかのように足を止め、突然はじまった格闘早食いイベントを固唾を呑んで見守っていた。
「あの二人、半端なく行儀悪いわね……」
 ハルヒをして言葉を失わせるほどの行儀の悪さである。確かに半端無い。
 朝比奈さんは二人の動きを律儀に追い続け、目を回しながらおろおろとするばかり。
 さて、どうしよう。
 止めに入るタイミングを完全に逸してしまった。今あの二人の間に入るのは台風の日に海辺でコンサートを開くよりも無謀だろう。命のチケットに払い戻しは効かないのだ。
 しかし、現在ハイキックを交わし合い一瞬の膠着状態にある二人のカレーは、まるで減る様子を見せていない。このまま放っておけば下手したら丸一週間ぐらい闘ってそうだ。カレーが腐る方がずっと早い。これ以上大事になる前に止めに入った方がいいのか?
 と、喜緑さんが目で追えないほどのスピードで蹴り上げた小石を、長門は首の動きだけで回避し、摩擦で燃え尽きそうな勢いを保ったままかっ飛んできたその小石は、悩んでいた俺の横っ面を弾丸のごとく掠めていった。
 血って鉄の味がするんだぜ。
「よし古泉。あいつらを止めてきてくれ」
「無理ですね」
 この根性無しめが。こういう時のための超能力じゃなかったのか。
「こうはっきりと言うのもなんですが、まったく違います」
 爽やかな笑顔で言い切りやがった。所詮こいつも我が身が可愛いと見える。
「僕では役不足、というよりお門違いもいいところですよ。ここはあなたか、もしくは涼宮さんでも無いと場を収めるのは不可能でしょう。あなた方は彼女達にとっても重要人物ですから、間に割って入れば動きを止めてくれるかもしれません。勿論、推奨はしませんが。むしろ僕の立場上、思い止まっていただかなければ困ります」
 お前に止められるまでも無い。俺は生来インモータルではないし、ハルヒはハルヒで、
「今よ有希! フック、右フックをかましなさい!」
 すっかり観客モードになってしまっている。見ている分には迫力があって面白いし、気持ちはわからないでもないが。
「……見守るしかない、かな」
「ええ、今のところは」
 待っていればいずれ終息するでしょう、と日和見な古泉の意見に賛同し、俺も傍観を決め込むことにした。


  


 長門と喜緑さんの一騎打ちは、攻防が入れ替わり立ち替わり目まぐるしく変化し片時も目を離すことを観衆に許さず、ステップはまるでワルツでも踊っているように軽やかで、スプーンを打ち合わせる姿には芸術の匂いすら漂っていた。
 打ち合い、捌き合い、いなし合う。互いに一歩も譲らない様は、躍動であり停滞だ。一本の綱が揺れ続けているような極度の緊張状態がずっと続いていく。
 それに耐えられなかったわけではないだろうが、両者譲らぬ攻防の中、喜緑さんが思いもよらぬ行動に打って出た。
 自らのスプーンを、なんと地面に叩きつけたのである。すでにひびでも入っていたのか、スプーンはあっけなく二つに割れてしまう。
 これには俺たちだけでなく、長門ですら驚いたように、ほんの一瞬動きを止めてしまった。
 喜緑さんが動く。
 左手に持っていたカレーを今度は上空に放り投げると、徒手空拳になった両手で以って長門の右腕を捻り上げる。あらぬ方向に曲げられた手首からは力が抜け、長門はスプーンを取り落とす。それを落下の途中で掴み取った喜緑さんは、長門から離れると、上空から図ったように降って来たカレーを一滴も零すことなくキャッチ。
 瞬く間に、状況は一変していた。
 カレーにスプーンという食事をするに事欠かない格好の喜緑さんに、カレーしか持たず、コンビニで箸を貰い忘れた時のように切なさ漂いまくりの長門。
 ここで喜緑さんからスプーンを奪い返すのは、おそらく難しいだろう。先の喜緑さんの行動はあくまで不意打ちだったからこそ成立し得たわけで、長門が同じ手を使ったとしても、あらかじめ看破されている限り、いくらでも防ぎようがあるのだ。
 長門は圧倒的不利に追い込まれてしまった。
 ハルヒの握り締めた拳が震えている。
 朝比奈さんが唾を飲み込む。
 古泉は笑顔を消した。
 俺はまさか長門が手で食い始めたりしないだろうかと気が気ではない。あれはインドならいざ知らず、日本でやると確実に引かれる。
 そして喜緑さんはゆっくりと、見せ付けるかのように、かつては長門のものだったスプーンでカレーを一口掬い上げ、小さな口をいっぱいに開き、
「こらーーっ!」
 ぱこんと後頭部をはたかれ、口に入れようとしていたスプーンを落っことした。
「え、鶴屋さん……?」
 朝比奈さんの台詞に表れているとおり、喜緑さんの後頭部をはたいたのは、誰あろうSOS団名誉顧問の鶴屋さんその人だった。
 想像もしなかった闖入者に困惑交じりの微笑を浮かべるしかない喜緑さんを置いて、鶴屋さんは長門の元へ駆け寄ると、
「こら、有希っこもだっ!」
 平手でぱこっと頭をはたく。そして二人の間に立つと、目元をいつもより厳しい角度で固めたまま、
「二人とも、いくらお腹が空いてるからって、喧嘩なんかしちゃダメじゃないかっ! 今日は年に一度のお祭りなんだからね、楽しくやんなきゃいけないんだよっ」
 どうやら鶴屋さんの目には、二人が空腹のあまり互いのカレーを奪い合っているように見えたらしい。長門の食いっぷりを知っているだけに、余計そう見えたんだろう。
 鶴屋さんは反応できないでいる二人の手を無理矢理繋ぎ合わせると、
「これで二人とも仲直り。ね、つまんない喧嘩よりも、仲良く一緒に指相撲でもしてた方が楽しいにょろ」
 二人の指を揉みくちゃにしながら、表情を緩めてからからと笑う。
「どうしてもお腹空いてるってんならね、ハルにゃんたちのとこで食べようと思って買ってきたんだけど、ほら、これあげるからさっ!」
 携えていた紙袋の中から、俺たちのカレーそっくりの容器を取り出すと、
「じゃん! 調理部お手製のハヤシライス! これがまためがっさ美味いんだ! グルメガイドに北校名物として紹介できそうなぐらいさっ! ほれ、食いな食いなっ」
 容器を空けてスプーンで一口掬うと、長門の口に突っ込んだ。続いて喜緑さんにも同様に無理矢理食べさせる。
「どうにょろ?」
「……なかなか」
「あ、本当に美味しいですね」
 頷く二人に気を良くしたのか、鶴屋さんはほれほれと言いながら交互にスプーンを差し出し続ける。まるでスズメの親子だった。
 容器が空になると、鶴屋さんは心底愉快そうに、
「うは、もう無くなっちゃったよっ。二人ともよく食うねー、その細いからだのどこに入るんだっ! 有希っこも全然太らないし、うらやましいったらないなぁ。……あ、そうだ。折角だから、二人とも調理部のとこに行かないかい? あたしの分も無くなっちゃったしねっ。仲のいい友達がいるから、関係者用のテーブル使わせてもらえるし、ゆっくりたっぷり食べれると思うよっ」 
 鶴屋さんの誘いに、二人はしばらく顔を見合わせていたが、やがてどちらからともなく頷くと、互いに背中を向けてそれぞれの屋台へと戻っていく。
 ぽかんと成り行きを見守っていた俺の傍にやって来た長門は、まだ手をつけていないカレーを胸の辺りに持ち上げて、
「食べて」
「え? ……あ、ああ」
 上目遣いの視線に思わず受け取ってしまう。生徒会側の屋台では喜緑さんが谷口相手に同じような事をやっていた。
 荷を降ろした二人は鶴屋さんの下へ再び集合すると、
「んじゃ、出発にょろーっ」
 軽い足取りの鶴屋さんに引率されて、校舎の中に消えていく。
 残された俺たちは、遠くなっていく背中を見送る他無かった。
 きっと宇宙人ってのはえてしてプラグマティストであり、要するに手軽で美味ければ何だっていいのである。


  


「いやぁ、まさかこういう形で終息するとは。意外なジョーカーが潜んでいたものです」
 力が抜けた様子の古泉は、苦笑まじりに言う。
「ああ、さすが鶴屋さんだ」
 俺はため息をついて、どうやらようやくにして今日のイベントが終了したらしいという、解放感だか疲労感だか判断のつきかねる感傷に身を委ねつつ、もう一度深く、腑の底に溜まった空気を吐き出した。
 集まっていた群衆は、唐突に終わりを告げた見世物に、それでも満足した様子でガチだやらせだと感想を述べ合いながら三々五々と散り始めている。
 とりあえず怪我人が出なかっただけでも良しとするかね。
 ある意味今日一番の被害者である会長の方に目を投じると、狐に化かされた勘定奉行のように苦い表情で、さっさと終わらせろとばかりに後片付けの指揮を執り始めていた。今回ばかりは同情するぜ。
 俺は胸中で手を合わせつつ、
「さて、ハルヒ。どうやら終わったみたいだし、さっさと片付けて部室に戻ろうぜ」
 こちら側の指揮官であるハルヒを促し、手早く屋台を畳んじまおうと、 
「あんた、何言ってんの」
「いやだから、後片付けを」
「終わったですって? ……キョン、よく見てみなさいあれを」 
 ハルヒが顎をしゃくった先には、谷口がいた。
 喜緑さんに手渡されたのがよほど嬉しかったのか、相貌を崩しつつカレーを食している。絶対相手にされてないってのに、健気な奴だな。
「あのアホがどうかしたのか」
「あいつは今何をしてると思う?」
 完全にカレー食ってるな。
「そうね。完全無欠にカレーを食べているわ。我々と生徒会の雌雄を決する、最後のカレーをね」
「…………雌雄って、まさかお前」
「まさかも何も、まだ勝負はついてないってこと」
 やけに清冽な顔で笑うハルヒは新しいスプーンを俺に差し出してくる。
「ま、待て待て! ひょっとして俺に食えと?」
「当然。有希からカレーを託されたのはあんたじゃない」
 託されたというか、つい受け取ってしまったというか、そもそも俺は、
「実はなハルヒ、非常に残念なお知らせがある」
「何よ。あんたアレルギーとかは無かったわよね」 
 ああ。アレルギーは無い。アレルギーは無いんだが、
「俺んち、今週の夕飯ずっとカレーだったんだ」
 だから俺は、今のところカレーが食えなかったりする。
 一から説明すると、まず先週、俺たちがカレーの屋台を開くと小さな地獄耳で聞きつけた妹が、母親に向かって、
『あたしもカレー作りた〜い』
 とおねだりし、これは娘に料理を教え込んで自分が将来楽をするチャンスと思ったのかどうか知らないが、張り切りすぎた母親が気合の入りすぎた指導をはじめ、副産物として一日二日では食べきれないほど大量のカレーが生成されることとなり、何だよ今日もカレーかよという文句すら定型文に陥った挙句、最後は家族全員黙々と口に運び続けるしかないぐらいカレー三昧だったわけで、ぶっちゃけた話向こう半年はカレーなんて食いたくない。
「というわけで、すまんがハルヒ。今日のところは諦めてくれ」
「却下」
 ハルヒは俺の手からカレーを奪い取ると、スプーンで山盛り掬い取り、
「いや本当悪いんだけど無理なもんはむぐほぅ!」
 説得しようと開きかけた俺の口にカレーを次々と放り込んできた。ああ、この味わい、間違いなくカレー。しかも冷めてる。今日でもう七日目。そろそろ体臭が変わる頃合。
「ま、まじでぐふぅ、無理だがほっ、食えないから勘弁しぐぇっ」
「ほらほら食べる食べる食べる!! 谷口なんかに負けたら承知しないからね! 降格よ降格! 雑用係からネズミ捕り係に降格よ! いもしないねずみを捕まえようと罠の傍で待ち続けるの! 嫌でしょう嫌なら残さず食べなさい!」
「ちょ、まぐっ、待てハルヒ……がふっ……む、むぐ、口の中の水分が、ごぶ、せめて水、水を飲ませ、むぐぼっ」


  


 こうして最後は俺の窒息寸前の尽力によってSOS団が勝利を収め、一仕事やり終えた顔で勝利の歌を口ずさむハルヒ以外の全員が微妙な表情を浮かべたまま、決戦の幕は閉じられたのである。
 ここは各自、適当にエンディングっぽいBGMでも流してればいいんじゃないか。